佐藤行衛

魚を生のまま薄く切って、チョコチュジャン(唐辛子酢味噌)やわさび油につけて食べる「フェ」は、日本の「刺身」とほとんど同じだ。

だが、フェは、そもそも中からたもので、漢字で「膾」と書く。本来は、肉類を一口サイズに切って、ヤンニョム(薬味)で和えた料理だった。それが韓風にアレンジされ、魚介類などをチョコチュジャンで和えたものに変化していった。その後、近代になって、日本から生魚を三枚に下ろし(회뜨기)て食べる刺身という方法がわり、現在のスタイルが出上がった。これにより「フェ=刺身」となり、刺身をチョコチュジャンで食べるという日韓混合スタイルが生まれたのだ。

 現在のフェは、基本、生きた魚をその場でしめる活魚である。活魚は、コリコリとした食感がたまらない。昔は漁港近でしか食べることができなかったが、魚を生きたまま運ぶ輸送技術が開され、交通環境が整った1980年代以降、日韓ともに大都市で流行りだした。

 フェの人気メニューは、ヒラメ、クロソイ、スズキ、タイなどである。どれも、身のしまった、ごたえ十分の白身魚だ。季節ならではの旬の魚が入荷されることもある。冬のボラや春のサクラマスなどだ。最近ではマグロも一般化してきたが、マグロは、21世紀に入ってから、門店が多く誕生し、大衆に認知されるようになった(それまでのマグロは、すべて冷凍カジキであった)

 さてそれでは、ヒラメをオしてみよう。すると、まるまる一匹さばかれて出てくる。まさに山盛り。えんがわなど、食べられる部分はすべて大皿にのってくる。日本だったら、端っこの見てくれのいところはお客さんには出さない。しかし、ここでは量が勝負なのだ。ど~んと、このボリュムでどうた、と言わんばかり。いやはや本にワイルドである。

“目で食べる”とはよくいわれる。確かに日本では綺麗に盛りつけてあるのを見て美味しそうと感じるが、こちらでは目一杯山盛りにされていることが重要だ。小鉢に盛り付けられた日本式では、美味いかどうか以前に、「なんだ少ないじゃん」と思われてしまうのだ。

 さて、日本で魚を生で食べるという方法は、有史以前から存在したと言われている。韓国同様、中から「膾」がわったが、日本ではこれをなますみ、一口サイズに切った肉や魚介類を、酢などの調味料で和えた料理であった。

 14世紀ごろに「刺身」という言葉が生まれ、ほどなくして、魚を薄く切って盛り付け、直前に調味料をつけて食べる料理となった。だが、刺身文化が開花するのは江時代(1603-1868)で、油が庶民の間で一般的に使われるようになってからである。現在のにぎり寿司もこの時代に江で生まれたものだ。

 日本で刺身といえば、なんといってもマグロだろう。マグロが大衆化するのは、近代に入って冷凍技術などが向上してからだが、江時代も油漬けにしたマグロの刺身が人気を博していた。

 マグロの刺身は、とくに脂がのっている部位を「大トロ」、適度に脂がのっている部位を「中トロ」、そうでないものを「赤身」という。大トロになると、刺身の色はもはや白く、口に入れるや否や脂肪が溶け、まったりとした旨味が口中にがる。中トロは甘味と酸味のバランスがよく、赤身は江時代にもっとも食べられていたところだ。は昔は、トロの部分は敬遠されていた。魚の脂身をありがたがるようになったのは最近のことなのだ。これは食生活が西洋化し、肉の脂をよくるようになったために起こった、日本人の味化によるものである。

 日本の刺身は、何種類かの魚が皿に盛られてくる“盛り合わせ”で提供されることが多い。このとき、イカ、タコ、エビ、ホタテ、ウニなどの海産物、さらにはサバを酢でしめた「シメ鯖」などの光り物も一に出てくる。マグロにカツオ、タイにヒラメに色とりどりで豪華絢爛。あ~、美味そうだ。

 また、日本の刺身は、魚の種類によって、色々と手間をかける。すぐに傷んでしまうサバやカツオは、新鮮なうちに食べないとならないが(そのため酢でしめたり、火で炙ったり、湯通ししたり、油漬けにしたりする)、タイやヒラメ、マグロといった魚は、死んでから一定の時間を置くことによって熟成し、旨味成分であるイノシン酸が加する。「新鮮だから美味しい」とは限らないのだ。熟成の度合いも、天然か養殖か、産地、気温候などによって化する。腕利きの料理人は、それぞれの魚のもっとも美味しい味のピクを見極めて、刺身にするのである。これが、日本の刺身である。ただ切って食べるのではない。もはや芸術品と言ってもいい。そんな料理なのだ。

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